2026.10.29
知らないと損するお金や税金ニュースVol.143【特定口座】

【特定口座】特定口座の利益も対象に? 後期高齢者の医療保険が変わります
今回のテーマは、
『<特定口座>特定口座の利益も対象に?
後期高齢者の医療保険が変わります
』
です。
75歳以上が原則加入する後期高齢者医療制度で、 株式の配当や売却益などの金融所得を、 保険料や医療機関の窓口負担割合に反映する仕組みが 導入される予定です。
2026年5月に成立した改正法を受け、 厚生労働省は2029年8月から段階的に反映する日程案を示しており、 今後の資産運用への影響も懸念されています。
申告しなかった利益も判定対象に
現在、源泉徴収ありの特定口座で得た株式の売却益や配当は、 確定申告しなければ、原則として後期高齢者医療保険料には 反映されません。 一方、同じ利益でも確定申告すれば反映されるため、 申告の有無によって保険料負担が異なる状況となっています。
新制度では、証券会社などが提出する 「特定口座年間取引報告書」などを活用して所得を把握し、 申告の有無にかかわらず保険料計算に含めます。 したがって、もし年金収入が同じでも、 金融所得が多い人は保険料が増えたり、 窓口負担が1割→2割などに変わったりする可能性があります。
【金融所得把握のイメージ】
1. 金融機関からのデータ提出(2029年1月〜)
金融機関から、配当支払いなどの法定調書をオンライン提出することが義務化されます。
2. データベースへの集約
金融機関からのデータと、市町村が把握している課税所得情報が、都道府県の広域連合のデータベースへ集約されます。
3. 窓口負担割合・保険料へ反映(2029年8月〜)
集約されていたデータを基に、後期高齢者の窓口負担割合や保険料に反映されます。
NISAは対象外、2028年の利益から影響も
保険料計算の対象は、課税対象となる上場株式等の配当・譲渡益などで、NISA口座で得た非課税の利益や預貯金の利息、株式・預金の保有残高そのものは含まれません。
今回の改正は、2028年分の金融所得の一部が2029年8月から反映され、2030年8月からは全面的に反映される予定です。
なお、現段階の制度変更は後期高齢者医療が対象で、国民健康保険や介護保険への拡大は今後の検討課題とされています。
まとめ
医療保険の負担を考える際、今後は年金収入だけでなく、資産運用から生じる金融所得にも目を向ける必要があります。
特に75歳以上の方や、これから後期高齢者医療へ移る方は、制度の開始時期と保有口座の違いを確認しておきましょう。

